年々増え続ける認知症患者ですが、2025年には700万人を超え、65歳以上の高齢者のうち5人に1人が認知症にかかるという推計が厚生労働省から発表されました。
当院でも患者さんの高齢化は進んでおり、認知症を患いながら長い療養生活を過ごされている方が多くいらっしゃいます。ご家族の方もこんな風になるなんてと悲観的に思われているのではないでしょうか?
そんな中、職員主催で認知症ケアである「ユマニチュード」を学ぶ病棟勉強会が2/15(水)に行われました。
ユマニチュードとは、フランスで生まれた新しい認知症ケアで、特別な技術や高額な治療も必要ないのに、驚くほどの効果が得られる手法です。ある新聞はその効果を“魔法のよう”と表現し、一部テレビなどでも取り上げられ話題となっていました。
勉強会ではユマニチュードの基本として、「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの柱のコミュニケーションテクニックを学んだり、解説DVDで実際のケアの様子を見ました。
大切なのは介護者が認知症の人を「病人」ではなく、「人間」として接する気持ちを忘れないこと。このケアで、今まで外出を拒んでいた患者さんも少しずつ立てるようになったり、怒りっぽい、意欲がなくなるといった症状を見せていた方も変化がみられるようになったとか。
ただ、すべての患者さんに効果があるわけではないといいます。
それでも機械的に介護をしたり、安全の為に患者さんの自由を奪うことのないユマニチュードは、患者さんだけではなく介護する側にとっても喜びや楽しさを見つけやすい方法で、医療の現場でもこんな穏やかなケアが浸透していけばいいなと感じる勉強会でした。
企画課・やまき