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山岳医・蘇先生の鳥海山登山レポート

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5月1日、鳥海山湯の台登山口730m→2000mを登山。

 

登山1~2週間前からは天気図及び雨雲レダーを注意し、

実際の気象と照らし合わせ予備予測を繰り返した。

連休中に雨が続く予報が、1日までの気象だと

雨は長続きしなくて風もやや弱めだった。

 

当日は午後から雨の予報、午前も降る可能性となっていた。

早朝起床時に天気は晴れ、レダーでは午前は雨雲がまばら、

庄内南寄りに降られ、早ければ昼過ぎから集中降雨だろう。

 

8時過ぎ、周囲は雪が融けておらず、

車道に駐車して5キロ以上登って湯の台登山口に到着した(地形図)。

 

駐車箇所には車4台あったが人影なかった。

予想通り、路標は雪に埋もれて方向を示す足跡も薄かった。

 

地図と方角を確かめて遠方、雲の中の鳥海山頂を目印に、

繋がった尾根に沿ってひたすら上へ(図Ⅰ鳥海湯ノ口雪原)。

連日の雨で雪は柔らかく、ツボ足で気持ち良く歩けた。

緩やかな雪原は急傾斜の雪山に変わり、ピッケルの出番。

 

最後の200~300mはアイスクライミングとなってしまった。

(富士山の4月吉田方面の登山も氷山だったが、山頂は

ほぼ緩やかの登り、アイゼン歩行のみで登れた)。

 

ハイマツの岩場に上がり(図Ⅱ)、行動食摂取、すでに雲の中だった。

 

2000mは厳冬の世界(図Ⅲ)。

 

山頂方面が全く見通せなかった(図Ⅳ)。

丁度昼12時、午後から雨を予想したので下山とした。

 

 

山の下りは身体の脆弱箇所、靭帯や関節に多大な負担し、弱点を露呈させる。

雪山は特に滑落の危険が高い。慎重に3支点の原則(四肢を常に3つ、

しっかりと地面に付いて移動する)でゆっくり降りた。

 

急傾斜を過ぎると、楽しく滑りながら雪原を下った。

下りは自分の足跡が目印だが、景色を楽しんでいた内別の方向に行ってしまった。

基本は上り返し、足跡を見つけて来る道に戻る。

体力に余裕あり、昼の明るい時間帯で雨も未だ気配なくそのまま降りた。

 

尾根の分かれ道で方向を確認し車道方面に向かった。

2時前に到着、雨が降り始めた。

 

山菜通りの年配者が丁度到着した。

いつものように楽しく少々交流し、道の情報を提供して帰宅とした。

 

久しぶりの雪山に生きを感じた!

 

 

脳神経外科部長・蘇 賢林(そ・けんりん)

(日本登山医学会 認定山岳医)

 


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